収穫
今年は
収量少なめな年になりました。前年が非常に良い状態だったので、あらためて栽培の難しさを感じていますが、それでも無事収穫できたことは大きな喜びです。秋には14回目の挑戦が始まります。2024/07/14
6月今朝の麦
1m20cmほど
昨日から札幌はようやく良い天気になり今日の最高気温予想は27℃。ライラックの咲く頃は良い香りがして幸せな気持ちになりますが、暖房が必要なくらいの寒さが戻ってきたりするリラ冷えの日も多く天候が安定しません。気温が上がると生育も加速しそうですが、今年の収穫時期は少し遅くなりそうです。2024/06/08
2024年5月
見守る楽しさを
昨年の同じ時期に比べ生育が少しゆっくりのようです。日照や寒暖の差なども影響しているのだと思いますが、1日1日それぞれの力で大きくなっているんだよなあと考えると、心配とか焦りとか畑で勝手に一喜一憂している姿ってライ麦たちからするとちょっとこっけいなのかもしれませんね。収穫までのんびりお世話をしていきます。2024/05/15
12月
翌日からは雪に覆われて
雪が少なくスキー場が困っているとニュースになっていて、畑もこの状態でしたが一夜にしていきなり銀世界という展開。たっぷり光合成をして今は雪の下です。4ヶ月間静かに時を過ごします。2023/12/13
Lokakuussa
秋蒔きライ麦
今年は9月も暑い日が続いていたので刈り取った後の畑に地中で発芽していなかった麦がいつもの年より大きく育っていたように思いますが、それらを鋤き込んで耕し播種しました。昨日までは気温20℃近くありましたが明日は最高気温12℃の予報、峠では雪が降るかもと。
「雪むし見たんだけど、やっぱりね」。北海道ではポピュラーな会話を今朝ニュースを見ながらしていました。もう少し紅葉の秋を楽しみたいなと思っていますがどうなるでしょうか。2023/10/16
9月
いつもより早く
収穫した麦の乾燥がとても早く状態も良好。もうすこし経ったら節を切ったりの処理を始められそうです。今年は北海道内をはじめ春から高松、岩手、東京と様々な場所でヒンメリづくりを楽しんで頂きました。この麦たちも来年新しい場所でつくって頂く皆さまにお届けできるように準備を進めていきます。2023/09/06
北海道らしい天気が続きました
爽やかな6月
2ヶ月前は日照不足を心配していたのですが、ライ麦は今2mほどになっています。今年は穂先部分が長く久しぶりに納得のいく仕上がりになりそうです。今日はまぶしいくらいの日差しの中で心地よい風に揺れる穂波を眺めていました。2023/06/25
5月に入って
60cmほどになりました
札幌はひさしぶりに暖かく良い天気が続き、麦の生長も期待できそうな天候です。根元部分の桿=茎は太くしっかりしているので2年前の暴風雨のようなことがあっても持ちこたえてくれそうです。ここ5、6年で北海道の天候もずいぶん変化してきたなと実感しています。どのような対策が必要なのかを考えていかなくてはと、思うこの頃です。2023/05/15
毎日寒い
桜も咲いたのに
北海道は例年より早く桜が満開になり暖かくなってくるはずが、春らしい日が続きません。今朝の畑の様子です。昨夜からの雨と風はすこし穏やかにはなっていますが寒々しい写り方ですね。雪解け後に一度追肥をして、ただ今15センチほどになっています。4月はあきらかに日照不足だと思うので来月天気の回復に期待したいところです。2023/04/26
冷え込んだ翌朝は
北海道はもう雨ではなく雪の予報に
葉の表面や土の上にたくさんの水滴が。ぷっくりとした粒は朝日を受けてきらきらと輝いています。1964年オイバ・トイッカさんがデザインしたイッタラのカステヘルミはこんな情景をみてアイデアを思いついたのかしらと想像してみたり。自然が見せてくれる様々な表情は見飽きることがないですね。2022/11/20
播種から1ヶ月ほど
雪が降る前に
めずらしく暖かい日が続いていた道央です。たっぷり陽を浴びて力を蓄えている葉色の鮮やかさがとてもキレイです。
毎年毎年繰り返している作業ですが、生長過程も色のつき具合も桿の仕上がりも同じことはないので終わりのない挑戦なのでしょうね。2022/11/13
春蒔きライ麦
大きくならず
秋蒔きのライ麦は収穫済みですが、春蒔きは生長が遅く収穫のタイミングを考えています。播種した時期はいつもと同じなので、やはり天候の影響と思われます。春蒔きのライ麦にとって一番の生長期に長雨による日照不足が続いていたので仕方がありません。
あきらめだったり、よい麦が収穫出来た年の喜びだったり来年もたくさんの実りを願ったり。昔も今も思いは変わらないのだなと感じます。今日春蒔きのライ麦を眺めていて、以前取材したフィンランド国立博物館の学芸員の方の話しを急に思い出しました。2022/07/22
6月今年も…
天候が安定しない日々
ヒンメリプロジェクトの打合せがあり酪農学園大学さんへ。今年も雨と風で麦が倒れ支柱を立て対応したとのこと。私の畑でも同様に対策をしています。久しぶりに春蒔きのライ麦も育てていますが、春蒔きの方は根元まで桿が細いため倒れやすいようです。
上の写真は大学の畑で、奥の背が高いのが秋蒔きのライ麦。研究のため色々な品種を育てていて麦畑の色のグラデーションがきれいです。手前左側の麦がすこし倒れていますね、昨日からの悪天候の影響かと思われます。刈り取るまで、まだまだ気が抜けないなあと畑を眺めています。作物を育てていらっしゃる方全てが収穫まで祈るような気持ちで毎日お世話していることと思います。2022/06/29
ようやく
畑にも春がくる
大雪に悩まされた北海道にも春のきざし。畑にはまだ雪が残っているところもあって、追肥のタイミングはもう少し先になりそうです。積もっていた雪は氷のように堅く、この下に4・5ヶ月埋もれているライ麦の生命力の強さに毎年感動します。来週水曜日から4月期のヒンメリ講座が始まりますが、受講される方々にも麦の生長を毎月お話ししていこうかなと思っています。2022/04/10
春を待つ
3カ月後には
毎日荒れた天気が続く北海道。写真のような季節が待ち遠しい日々を過ごしています。先日酪農学園大学の先生とお話しする機会がありました。昨年6月暴風雨に見舞われたライ麦たちですが、まずまずの収穫だったそうです。私の育てているライ麦は根元部分は使えませんが、穂先から3節目までは使える状態に仕上がっています。
継続して秋蒔きライ麦を育てていますが今年はどうなるでしょうか。自然が相手、自分が出来ることは限られています。雪解け後に追肥をしたり風対策が必要ならその準備をしたり。それも全部含めてヒンメリをつくるということなのだと思っています。
講座へ通って下さっている方々は材料のライ麦わらを手に取り「こんなに繊細できれいなものなんですね!」と驚かれていました。新しい年もたくさんの方へヒンメリの魅力をお伝え出来るように努力していきます。2022/01/16
大変なことになっていた
6月北海道は台風並の暴風雨に
順調に育っていたライ麦ですが、6月4日全道各地で大荒れとなり畑がある地域も風速20mほどになりました。倒れた麦に支柱を立てしばらく様子をみることに。3日ほどで戻り始め少し安心しましたが少々桿の色が淡い緑なのが気になり、酪農学園大学で育てているライ麦を見学しに行ってきました。写真は大学のライ麦です。
見て下さい!麦の根元を。45度に傾いています。先生のお話しでは強風だけの時はまだよかったけど雨が降って一気に倒れはじめたそうです。大学の畑はかなり広いのですが、そのほとんどのライ麦が暴風雨の翌日同じ方向へ45度姿勢になっていたそうです。…悪夢です。
でも桿=茎がポキッと折れていなければ大丈夫だそうで、10日後には元気なこのお姿になっていました。すごいですね、ライ麦は。うちの麦は大学のと比べると全体的に元気がないように感じます。今年の収穫はどうなるでしょうか。7月初旬までの天候が仕上がりを決めることになりますね。がんばれ!うちのライ麦たち。2021/06/23
雪がとけて
今年も元気に復活
前日撮った麦の様子です。春の陽を浴びて葉がしっかりしてきました。毎年のことですが、すごい生命力だなあと感心してしまいます。
土の表面は乾燥気味ですが、本来ライ麦はジメジメしているのが苦手だそうで水はけの悪い状態のところではよく育たないと教えて頂きました。今日からこちらは雨。気温も低くしばらく生長はゆっくりかなと眺めています。今年も美しい穂波を見る日が楽しみです。2021/04/17
麦への思い
繊細なヒンメリが作りたい
ヒンメリを作り始めた頃、麦わらがなかなか手にはいりませんでした。麦を手刈りしなければヒンメリに使う部分が採れません。また当初、私は細い麦わらを使った繊細なヒンメリを作ってみたいと考えていました。ある方の協力で麦を自分で育てることに。「自分で育てた麦を使ってつくるヒンメリは何かが違ってくるはず。自分が育てた素材を使い作ることで本物になるのではないですか」と言われ、納得がいきました。
自分で作るのであれば、無農薬で作ろう。ワークショップに参加頂く方々に、安心できる麦わらで楽しんでもらいたいと、この3年間そうしてきました。 農家さんのような「作るプロ」ではありませんので、少しずつ進めています。フィンランドでお世話になった方に自分で麦を作っていると話したところ、「あなたはSISU(シス・フィンランド魂)があるわね。」と言って頂き、本当に嬉しかったです。 思いを、1つ1つていねいに形にしていこうと心に決めています。
大きなヒンメリを作るには太い麦わらが必要ですが、その麦も作れるようになれたら理想です。また、いつか種まきから始めるワークショップが出来たら素敵だなと想っています。生長過程を見守って刈り取り、下処理しクリスマスの準備として、ヒンメリやオルキプッキなどの麦わらのオーナメントをつくる…。フィンランドの昔から行われている手仕事を四季を通し体験できたら、きっと楽しいと思います。
ーこの文章は2013年にアップしたもので、2010年の出来事を書いています。いまから11年前。実現出来たこと、まだまだなこと、これから目指していること。12年目の新しい春が巡ってきます。2021/04/01
麦わらのポンポン
出版本で紹介の飾り
収穫した麦わらは、ヒンメリだけではなく写真のようなポンポンをつくってみるのも楽しいですね。2018年出版の「ヒンメリをつくる」ではヒンメリの飾りとしてアレンジしました。インテリアグッズとして飾り棚などの装飾品としても素敵です。
以前あるイベントで建築関係のオーナーの方と出会いました。その会社では麦わらを圧縮した建材を扱っていて、ヒンメリをご覧になり麦わらが造形物になっていることに大変驚いていらっしゃいました。麦を通してたくさんのお話をしました。写真がその建材「ハーベストパネル」麦わらと同じ黄金色に輝いています。
実は食べ物になり(フィンランドでは飲み物にも)、わらはヒンメリにはもちろんですが牛の飼料や寝床にもなります。そしてこのように建材にも。麦わらは、私達の暮らしの様々なところで用いられている素材なのです。ー2019年アップした文章へ加筆しました。2021/04/01
本格的に雪に覆われます
12月のライ麦
ここしばらく雪が降っても翌日朝には溶けていましたが、今朝は気温が上がらず写真のようになっていました。今後さらに積もって1m以上になりますが、これまでしっかり光合成し蓄えた力で春を待ちます。
雪解け直後は、このような状態から復活するの…?と不安になる姿ですが、どんどん勢いを増し最終的な高さは2m近くになっています。
麦を育てていて、これほど自然の繰り返しに安心感を覚えた年はありませんでした。雪で埋め尽くされ何も見えなくなっても、その下で目覚める時を待っているライ麦たち。新しい年の希望そのものです。2020/12/05
来年に向けて
秋蒔きライ麦
播種からの変化がとても速く毎朝確認する度ぐんぐんと伸びている印象です。この畑も、もう1ヶ月もするとうっすらと雪が覆ってしまいます。その時が来るまで楽しみは続きます。
ヒンメリプロジェクトで関わっている酪農学園大学さんのご縁で知り合ったベーカリーがあるのですが、こちらは大学のライ麦を使ったパンを焼いていらっしゃいます。ライ麦80%のPumpernickelは、私の先生も大のお気に入りです。ライ麦パンはビタミンB類をはじめミネラル・食物繊維などの栄養素を豊富に含んだ低GI食品で、健康的な食事を意識されている方たちが買って行かれるそうです。
実は食べ物になり、わらはヒンメリになって飾られる。プロジェクトの根幹となる「循環」を実感する出会いとなりました。ライ麦を育てヒンメリを作っていることでつながるご縁をまた一つ頂きました。2020/10/17
収穫を終えて
2014年に思っていたこと
ヒンメリに使用する麦わらは刈り取った後もたくさんの作業が続きます。私が良いと思う稈(カン)の太さや色、それは1本ずつ手に取り選り分けていくしかありません。作品を作る時もワークショップに参加される皆さまがお使い頂く麦わらも全て同じ行程で用意しています。日本でも沢山の方がヒンメリ作りを楽しんでいらっしゃいますが、作り手の素材選びにもその人だけの個性が反映されているのだと思います。
2010年より麦を育て始めましたが、素材に対する思いが実を結ぶまでにはまだまだ道のりは続きます。私は自分が「美しい」と感じる素材を使いヒンメリを作り続けたいと思っています。正八面体1つにも作る人によって表情が変わります。作品に至るまでの見えないプロセスが違いを生むのかもしれません。
「麦わらで作るモビール、ヒンメリ」。麦ではなく別な素材でもさまざまに創作されますが、私はやはり麦わらで作るヒンメリが美しいと思っています。フィンランドの伝統装飾の素晴らしさに衝撃を受けた時から変わらず心にある思いでもあります。自然素材を手にもの作りをする。つややかな麦わらの感触を楽しんで頂く。素材を作るところから携わっているからこそ、お伝えできることもあると感じています。
ーこの文章は2014年に書いたものですが、7年経っても変わることのない思いです。これまでワークショップでお会いした皆様との交流、酪農学園大学さんとのプロジェクトへと、この思いはつながっています。2021/04/01